【PB-cLc】帽体
帽体は、F-1用ヘルメットのテクノロジーから生まれた新世代シェル【PB-cLc】を採用。前頭部には、上部窓カットラインに並列に配されたスーパーファイバー製のベルトによって帽体を強化。サイドからリヤにかけては、従来のcLc構造に加え、スーパーファイバー製クロスで補強して、帽体全体の剛性を高める。さらに、この新開発【PB-cLc】帽体により、緩衝ライナーの発泡倍率を従来比で10%程度下げることが可能になったため、さらなる軽量化を推進しながらも、最新のスネルをクリアできるほどの高い剛性を確保している。
エマージェンシー・タブ
モトクロス用で実績のあるエマージェンシー・タブをロードモデルに新採用。
転倒したライダーのヘルメットを、レスキュー隊などの第三者が脱がさなければならない状況では、脱帽時に抵抗がかかる頬部システムパッドを、まず外す必要性がある。そこで、タブを引くだけで頬部システムパッドが素早く除去できるよう、システムパッドに『エマージェンシータブ』を取り付け、万一の際には、スムーズに脱帽させることができるようになった。
コンパクトフォルム
スネル2010規格は、より強固なシェルと柔らかなライナーが要求される。シェルにはPB-cLc構造、さらに部位ごとに発泡倍率を変化させた多段階緩衝ライナーを組み合わせ、重量増加を抑え、頬部下部までしっかり守るコンパクトなフォルムを実現している。そのフォルムは、前方のみならず、多方向からの空気抵抗も軽減し、安定性を向上させている。また、側方目視よる首ふりにおいても、空気抵抗の変化を最小限にとどめ、ヘルメットのグラつきを抑える。
ハイパーリブ
帽体後部までまわりこむハイパーリブは、自動車のバンパーのような緩衝装置の役割を果たし、側面からの耐圧性能を向上させ、より帽体が強固になった。「外側のシェルは強固に、頭をじかに包む緩衝ライナーはより柔らかく」というヘルメットの理想に、アライはまた一歩近付いた。
また、『サイドエキゾーストダクト』との一体化したフォルムは、首元の風の流れをスムーズにし、高速域からストレートエンドでのグラつきを格段に抑える効果を発揮する。
ニューESF
(エッグ・シェイプド・フォルム)
ヘルメット下部の首周りがスッキリしまって見えるESF(エッグ・シェイプド・フォルム)を採用。これにより、ヘルメット下部の首周りは内側に向けて美しい曲面をえがき、安全性はもとより、空気の流れが驚くほどスムーズになった。
裾部分を従来より広げることで、かぶりやすくなり、「強固にする=かぶりにくい」という概念を打ち破ることに成功した。もちろん、ESFの空力効果である安定性・静粛性は損ねることなく、安全性はもとより、空気の流れは驚くほどスムーズになっている。
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